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円錐角膜は自覚症状がない!?検査方法や治療法を解説
2021.08.03

円錐角膜とは、眼球の「角膜」が尖ってきて、年齢とともに近視や乱視が強くなる病気です。

 

 

自覚症状がほとんどない病気で、検査をして初めて円錐角膜と気付く方がとても多いのが特徴です。

 

しかし、多くの眼科には円錐角膜がわかる検査器具が備わっておらず、発見が遅れるケースが少なくありません。

 

 

円錐角膜の検査には特殊な機械が必要なんです。

 

 

今回は、円錐角膜の検査や、治療法についてご紹介します。

円錐角膜に自覚症状はほとんどない

円錐角膜には自覚症状がほとんどなく、多くの場合、視力が落ちてメガネを作りに行き、レンズを入れても視力が出ないことで発見されます。

 

 

また、別の症状で眼科に受診して初めて、円錐角膜が発覚するケースも少なくありません。

 

そのため、発見されたときには症状が進み、「もっと早く治療していれば」と思う例が、眼科医から見てたくさんあるのが現状です。

 

 

円錐角膜は若いうちに発症することが多く、10代で治療を始めるケースが大半を占めます。

 

むしろ若いうちから治療できるのは理想で、中にはまったく気づかず、異変に気づいたときには失明寸前のケースも見てきました。

 

 

円錐角膜は、約5,000人に1人はいると言われ、網膜剥離の患者数より多いと思われます。

 

しかし、円錐角膜を発見する検査は特殊な機械が必要で、すべての眼科に備わっているわけではありません。

 

結果発見が遅れ、症状が進行したり治療の幅が狭まったりするのです。

 

 

円錐角膜は、なるべく早めの10代から治療を始めるのが理想とお話ししました。

 

そのためには、

・検査機器の普及

・中学生くらいまでに、全員が円錐角膜の検査を受ける

などが必要不可欠と考えています。

円錐角膜の診断に必要な検査とは?

円錐角膜の確定診断には、角膜形状解析という、角膜を等高線状に見たてる精密検査が必要です。

 

 

※等高線とは 地図の地形を表す方法の一つ。

 

 


私が使用している円錐角膜の検査方法は、「前眼部OCT」です。

 

前眼部OCT(CASIA)424パラメータを使用
(前眼部OCT(CASIA)424パラメータを使用)

 

 

この方法は「光干渉断層計」「角膜詳細な断層構造」「角膜形状(凹凸)」「マッピング機能」がわかります。

 

 

簡単にご説明すると、

・角膜が薄くなっていること
・円錐角膜の初期変化(部分的突出)

などを、統計的にコンピュータ処理された自動診断としてわかるようになります。

 


下記の画像は、実際OCTを使った画像です。

左側が等高線状、右が角膜の厚みmap

左側が等高線状、右が角膜の厚みmap

 

特に痛い検査ではないので、疑わしいと感じたら早めに検査することをおすすめします。

円錐角膜の治療方法

円錐角膜の治療は、

・メガネ

・ハードコンタクトレンズの着用

・角膜内リング

・角膜移植

・角膜クロスリンキング

があります。

 

 

最初はハードコンタクトレンズでの治療からで、症状が悪化した場合、角膜移植や角膜クロスリンキングをするケースがあります。

 

詳しくは、以下の記事で解説しているので、ぜひご一読ください。

 

 

▼関連記事▼

円錐角膜とは?原因や新しい治療法について解説


まとめ

円錐角膜は自覚症状がほとんどなく、特殊な検査でしか発見できないのが現状です。

 

しかし、早期発見で治療の選択肢が広がり、症状を食い止める可能性が高くなります。

 

ぜひ少しでも気になったら、円錐角膜の検査を受けていただけると嬉しいです。

 

 

私が勤務している病院では、円錐角膜の検査はもちろん、多くの治療方法があります。

 

私は現在、以下の病院で診療をしております。

 

 

きくな湯田眼科

日本大学医学部附属板橋病院

日本大学病院

 

 

気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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