白内障の術後の視力や見え方は?いつ手術をするべきか
2022.01.18
白内障は発症する方が多い眼病です。
初期症状の有病率は、50代で37%~57%。多くの方に白内障の持病があります。
白内障と診断が出てからよくある疑問として、
- ・見え方はどう変わっていくのか?
- ・いつ手術するべきなのか?
- ・手術をする時期の目安はあるのか?
ではないでしょうか。
そこで今回は、白内障の術後の視力(見え方)と、適切な手術時期の目安についてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
白内障の術後の見え方
白内障の手術とは、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズと交換することです。
人工レンズは基本的に「単焦点レンズ」になります。
単焦点レンズとは、一か所しかピントが合わないレンズのことです。
白内障の手術では、どこにピントを合わせするかによってレンズを選びますが、主に以下を目安に選んでいただきます。
- ・遠くをよく見えるようにしたい
- ・生活距離をよく見えるようにしたい(例:テレビを見る)
- ・中間をよく見えるようにしたい(例:パソコンを見る)
- ・近くをよく見えるようにしたい(例:読書)
どこにピントを合わせるか決めることで、ご自身の生活スタイルに合った人工レンズを選ぶことが可能です。
手術をすることで、白内障の症状である「目のかすみ」「眩しさ」は大幅に改善されます。
もしご希望があれば、「多焦点レンズ」の適応である場合があるので、主治医の先生とよく相談し、ご自身のご希望を伝えましょう。メガネをかける時間が大幅に短縮され、生活しやすくなりますよ。
白内障の手術はいつが適切?
白内障の手術が必要な時期は、その方によって異なります。
基本的には、患者さん本人が困ったときが適切ですが、なかなかご自身で決めるのは難しいですよね。
そこで一つの基準として、車の免許で必要な視力を目安とすることです。
免許の更新では視力が0.7必要なので、もし視力0.7見えなくなり免許の更新が危ないなら、手術を検討しましょう。
なるべく早く白内障の手術をしたほうが良い方
手術の基準として、「車の免許の更新ができない視力0.7」を紹介しましたが、視力はあっても早めに手術をしたほうが良い方がいます。
例えば、眩しさを強く感じている方。
生活に支障が出ている場合が多いので、不便を感じたら早めに主治医の先生に相談して手術をしましょう。
また、近視が強い方も早めの手術をおすすめしています。
近視が強い方は、白内障の進行が早い傾向にあるからです。なるべく早く手術を受けることで、度の強いメガネから開放され、生活しやすくなる可能性が高くなりますよ。
目の持病がある方は早めの治療で白内障の早期発見を
現在、すでに目の持病がある方は、早めに治療をしておきましょう。
例えば、
- ・緑内障
- ・アトピー性皮膚炎
- ・網膜の病気
などがあると、その病気が邪魔になって目の診察が難しくなり、白内障などの病気の早期発見が遅くなるケースがあります。
持病を早めに治療、必要なら手術することで、白内障の早期発見・早期治療が可能になります。
まとめ
白内障の術後の見え方や、手術の適切な時期について紹介しました。
白内障は、早期発見して治療すれば、その後の生活がかなり改善します。
かすみや眩しさを感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
最近では手術で選べるレンズが豊富ですので、ご自身の希望をしっかり伝えられれば、日常生活での見え方がかなりよくなりますよ。
また、目に違和感をあまり感じていない方にも、定期的な眼科の受診をおすすめしています。
特に遠視の強い方は、水晶体が通常より前に出ている方が多く、角膜と水晶体の間の空間(前房)が狭い可能性が高いのです。
前房が狭いと、目の中の水の流れが悪くなってしまい、目の圧力が上がって緑内障が早く出てくる可能性があります。
こちらも、きちんと眼科に通っていれば早期発見が可能です。
若い頃の視力は1.5くらいあった方や、現在視力に問題ない方も、白内障を含めた目の病気(眼病)のリスクはありますので、ぜひ定期的に眼科の検診を受けましょう。
私は現在、以下の病院で診療をしております。
気になる方は、ぜひお気軽にご連絡いただきたいと思います。